2019年6月1日(土)~11日(火)、建設コンサルタンツ協会とみなと総研主催の『海外インフラ事情調査団』に副団長として参加しました。かれこれ3年以上前のことですが、折角の貴重な機会なので、パナマ・アメリカのインフラ視察のまとめをブログに記しておくこととしました。
①ヒューストン:2019年6月1日(土)
・成田空港とジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港までは、11000km、所要時間は概ね11時間。フォローの偏西風を受けて、時速1000km。
(大円航路)
・ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港は、3km級の滑走路5本を備える巨大空港。都心の北35km、正直、アクセスが良いとは思えないが、高速道路がそのハンディをカバーしている感じ。欧州の空港は総じて都心に近く、鉄道がセットでもう少しアクセスがいいように感じる。アメリカは広大な国土があり、車中心社会のためだろうか。
(ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港:出典google)
・空港構内にヒューストンのダウンタウンの摩天楼の写真が飾ってあった。ヒューストンは、自分が持っているアメリカの大都市のイメージ通りの街だった。ヒューストンは、230万人の人口を持ち、ニューヨーク、ロスアンゼルス、シカゴに次ぎ、全米で4番目のテキサス州最大の都市。
(ヒューストンのダウンタウン)
以下、『地球の歩き方 アメリカ2019~2020』
「テキサス州最大の都市ヒューストン。人口は200万人をゆうに超え、ニューヨーク、ロスアンゼルス、シカゴに次ぎ、全米で4番目の多さだ。海が近いこともあり石油メジャーが本拠地を構え、ダウンタウンには巨大なビルが林立し、世界各国からビジネスマンが集まる国際都市として機能している。
ヒューストンは宇宙開発の拠点でもある。アポロ計画などで重要な任務を果たしたジョンソン宇宙センターがヒューストン郊外にあり、宇宙に関する研究、宇宙飛行士のトレーニングなどが日々行われ、NASAの宇宙センターのなかでも大事な役割を担っている。
また、テキサス州は6ヵ国によって支配されてきた歴史があり、フランスやスペインなどの領土を経て1836年テキサス共和国として独立。1845年にアメリカに併合された。テキサス州と名前を変えてからも独立独歩を好み、他人と同じことを嫌う気質は現在でも脈々と受け継がれている。日本から直行便が飛んでおり、アクセスのよさも魅力のひとつだ」
・テキサス州が、1836年にテキサス共和国としてメキシコから独立し、1845年にアメリカに併合されたとは驚きだ。テキサスはアメリカ東部から西進や南進により自動的にアメリカに取り込まれていったと思っていたら、大きな勘違いだった。アメリカは1776年に東部13州がイギリスから独立、徐々に国土を拡げ、1803年にはフランスから「ルイジアナ購入」と呼ばれるミシシッピ流域を破格の安値で購入。その後、テキサス、カリフォルニア、オレゴン、アラスカを取り込み、着々と国土を拡げていった。
(1803年ルイジアナ購入(白いエリア):Wikipedia) ・パナマシティ行きの便の出発まで6時間もあったので、ヒューストン郊外のジョンソン宇宙センターを見学した。タクシーでヒューストンのダウンタウン東南約40kmにあるジョンソン宇宙センターへ。片側5車線で車線幅もゆったりした、実に広々とした高速道路で、自分が持っているイメージ通りだった。出入り口の料金所などはなく、高速料金は無料。タクシーは、片道46.2マイル(74km)、所要時間50分。往復料金は、260ドル(29000円)と意外にもリーズナブル。
(高速道路:片側5車線)
(高速道路のランプ)
・空港行きの高速道路は、ダウンタウンのすぐ脇に設置されていて、高架方式。地下トンネルにしなかったのは、一年を通じて太陽光に溢れる北緯30度の立地に依るのではないか。冬場の太陽光が乏しい高緯度の欧州だと後発の道路は地下に入れて、既存の道路に蓋をせず、青空を維持するのではないか。
(ヒューストンのダウンタウン)
・ミニッツメイド・パークは、アメリカンリーグのヒューストン・アストルズの本拠地。野球場とは思えない不思議な形をした巨大な建物。世界で3番目の開閉式屋根付き天然芝野球専用球場だとは驚き。この巨大な屋根がスライドする仕掛けになっているようだ。
(ミニッツメイド・パーク)
・ジョンソン宇宙センターに到着。スペースシャトル・インディペンデンス号の前で記念写真。
(スペースシャトル・インディペンデンス号)
・空港へ戻る高速も5車線の幅広。真新しいランプは、スパンを随分と飛ばしている。
(高速道路のランプ)
・スピード制限は60マイル/時、100kmで日本と同じ。
(最高速度60マイル)
・郊外の一般道沿いの風景はどこか日本風。電線・電柱があり、ファミレス風のレストラン、車のディーラー、ガソリンスタンド、ホームセンターなど日本でもお馴染みの建物が並んでいた。看板が日本語表記なら日本といっても判らないだろう。アメリカは電線地中化の先進国と思っていたので、意外な思いがした。以降、視察先の街々で電線・電柱を熱心に観察した。電線は上下2段、上段は変圧器が付いているので高圧線、下段は電話線で日本と全く同じ。
(電柱・電線)
・走っている車の半数くらいは日本車だったことに驚かされた。しかもトヨタのシェアが他の日本車を圧倒していた。
・ヒューストンは、2017年8月に上陸したハリケーン・ハービーで壊滅的な洪水被害と多くの死者を出したそうだ。ハービーは最大風速215 km/h、最低気圧937 hPa、 死者107名、被害1250億ドル(16兆円:史上最高被害額)
ヒューストンのまとめはこんな感じ。
1.ヒューストンのダウンタウンは、摩天楼が建ち並ぶ典型的なアメリカのダウンタウンだった。
2.ヒューストンのダウンタウンは、メジャーの野球場がセットだった。
3.ヒューストンの野球場は、巨大で個性的でユニークな設計。
4.ヒューストンの高速道路は、片側5車線の幅広で無料。
5.ヒューストンの高速道路は、時速100キロ制限。
6.ヒューストンの都心の高速道路は、地下式ではなく高架型。
7.ヒューストンのタクシー料金は、リーズナブル。
8.ヒューストンの郊外の沿道風景は、日本と同じ。
9.ヒューストンの郊外は、日本と同じで電柱がたくさんの建っていた。
10.ヒューストンの車のシェアは、半分くらい日本車。日本車はトヨタがメーン。
11.ヒューストンは、ハリケーンとともに生きる運命を背負っている。