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パナマ・アメリカⅡ エピローグ(5)パナマシティ(3日目)

2019年6月1日(土)~11日(火)、建設コンサルタンツ協会とみなと総研主催の『海外インフラ事情調査団』に副団長として参加しました。かれこれ3年以上前のことですが、折角の貴重な機会なので、パナマ・アメリカのインフラ視察のまとめをブログに記しておくこととしました。

2019年6月2日(日)

パナマシティ(3日目)のまとめはこんな感じ。

1.パナマシティの新市街はピカピカの摩天楼で、新規投資も盛ん
2. パナマシティは、パナマの政治、経済、文化の中心だけではなく、中米有数の世界都市。中米有数の金融センターとして、世界各国の銀行が進出しているとか。
3. パナマシティの都市内高速道路は首都高型の高架形式、ヒューストンと同じ。
4. パナマシティの表通りは無電柱、少し中に入ると電柱はガッチリ残されていた。中段の配電線や電話線は恐ろしく高密度配線。
5.パナマシティには計画中も入れて3本の地下鉄がある。
6.欧米のインフラの仕様書や技術基準は日本と違ってゆったりしているらしい。日本の基準は、「最低限の寸法」を規定するのに対し、欧米の基準は、「望ましい寸法」を示すとか。パナマシティの地下鉄1号線は欧米の仕様書や基準で建設されたためゆったりした駅舎だった。
7.パナマシティの大通りは、電柱もなくスッキリした街路だったが、建物のスカイラインへの拘りは感じられなかった。一応自転車専用道路は設置されていた。
8.パナマシティのお肉は、日本に比べると、牛肉1/3。豚は牛と同じ、鶏肉は逆に高い。中南米ではステーキがお得。ペットボトルは日本の1/3。

・専用バスは新市街の摩天楼の間を縫うように走ってホテルに戻った。新市街の海岸沿いにはピカピカの高層ビルが林立。高層ビルは、オフィスビル、観光ホテルやタワーマンションで、新規投資も盛んな感じだった。

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(パナマシティの摩天楼)

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(パナマシティの摩天楼と建設中のビル)

・パナマシティは、パナマの政治、経済、文化の中心だけではなく、中米有数の世界都市で、中米有数の金融センターとして、世界各国の銀行が進出しているとか。

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(パナマシティの摩天楼)


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(パナマシティの摩天楼と公園)


・パナマシティの都市内高速道路は首都高型の高架形式、ヒューストンと同じ。太陽光に溢れるパナマシティではトンネル式ではなく建設費の安い高架構造が選択されたようだ。

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(パナマシティの高架形式の高速道路)


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(パナマシティの摩天楼)


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(パナマシティの摩天楼)


・綺麗に整えられた街路と公園・・・お手入れも行き届いていた。

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(パナマシティの公園)


・表通りの主要道路では無電柱化が進んでいたが、少し中に入ると電柱はガッチリ残されていて、中段の配電線や電話線は恐ろしく高密度配線。


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(電柱と電線)

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(電柱と電線)


・視察団のメンバーとパナマの地下鉄1号線の体験乗車。地下鉄1号線は、2014年に開通。現在3号線が建設中だとか。パナマシティとその周辺の首都圏には全人口の3割が集中しており、慢性的な道路渋滞の解消が地下鉄建設の目的。

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(地下鉄1号線)


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(地下鉄1号線改札口)


・視察団長の家田先生から地下鉄の解説によれば、欧米のインフラの基本仕様書や技術基準は日本と違ってゆったりしたものだとか。日本の基準は、「最低限の寸法」を規定、欧米の基準は、「望ましい寸法」を示すとか。パナマシティの地下鉄は欧米の仕様書や基準で建設されたためゆったりした駅舎だった。

(視察団長の家田先生)

(駅階段)

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(駅ホーム)


・日本の地下鉄との違いは内部空間の広さ。天井までの高さは日本の倍以上はある感じで、上り線と下り線が同時に見渡せた。ドイツやハンガリーの地下鉄の内部空間も同じくらい広かった。この駅舎の場合もそうだが、日本仕様の設計だと上り線と下り線の間に隔壁を入れ、中間にスラブを一枚入れるだろう。要はインフラに対する文化に違いだろうか。


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(シールド工法で掘ったトンネル)


・地下鉄2号線は高架。

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(地下鉄2号線)


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(一駅間の体験往復乗車)


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(手狭な車内)


・配管類に派手な配色もいいもの。赤がアクセントになっている。

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(赤の配管)


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(宿泊したホテル周辺)

・全員参加の夕食会までは自由時間。ホテル前の大通りを歩いて、近くのスーパーまで歩いた。電柱もなくスッキリした街路だが、建物のスカイラインへの拘りは感じられなかった。一応自転車専用道路は設置されていた。

(街路)

・大通りにはレストランやスーパーなどのお店が並んでいたが、派手な屋外広告はなかった。

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・ご当地の生活を知るには、スーパーマーケットは好都合。

(物価調査をしたスーパーマーケット)

(対面型のレジ)

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(牛肉:1kgで6.89ドル(760円))


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(豚肉:1kgで6.99ドル(770円))

(鶏肉:1kgで8.33ドル(920円))


(シュウェップス1L;0.95ドル(100円))


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(500CCのミネラルウォーター:0.25ドル(30円))


朝から移動が多く相当疲れたが、充実した視察になった。翌日は、パナマ運河鉄道に乗って、カリブ海側のアグアクララ閘門へ。
以下、次号・・・


# by camino0810 | 2023-05-28 17:11 | パナマ・アメリカⅡ | Comments(0)  

パナマ・アメリカⅡ エピローグ(4)パナマシティ(2日目)

2019年6月1日(土)~11日(火)、建設コンサルタンツ協会とみなと総研主催の『海外インフラ事情調査団』に副団長として参加しました。かれこれ3年以上前のことですが、折角の貴重な機会なので、パナマ・アメリカのインフラ視察のまとめをブログに記しておくこととしました。

2019年6月2日(日)

パナマシティ(2日目)のまとめはこんな感じ。

1.パナマは人口400万人。首都パナマシティの人口は、約100万、全人口の25%がこの街に集中。パナマの1人あたりGDPは19, 080ドル(2013年)と中南米で最も高い所得水準。
2.アマドールは、最初のパナマ運河(1904~1914年)を開削した時に発生した掘削残土置き場だった。
3.パナマ運河の太平洋側の入り口のアメリカ橋は、全長1600m、中央支間340m。桁下は61mの巨大アーチ橋。パナマックス、ネオパナマックスクラスの船舶が問題なく通過できる桁下。
4. アメリカ橋の袂に中国とパナマの友好150年の記念塔があった。両国の関係は長くて深そうだ。
5. コンテナを満載した巨大な貨物船がパナマ運河の入り口に向かっていた。7,000TEU仕様のコンテナ船は17万トンのコンテナを運べるとは驚き。
6. 旧市街の中心には大聖堂と広場があった。欧州の旧市街の標準パターンと同じ。サンタ・マリア大聖堂は、欧州の大聖堂とは逆向きでファサードは東側に、祭壇は西側を向いていた。
7. パナマには地震がないようだ。フラットなアーチ梁が数世紀にわたって残存しているのを見て、パナマには地震がないことが判ったとか。
8. 旧市街の外れの公園にはレセップス(1805年~1894年)の胸像が建っていた。レセップスは、フランスの外交官にしてスエズ運河を開削したことで知られている実業家。レセップスはスエズ運河完成後、パナマ地峡に海面式運河の建設を計画し、パナマ運河会社を設立して1880年に建設を開始した。黄熱病や技術的問題と資金調達のなどで事業が難航し、1889年運河会社が倒産。フランスは運河の開削を断念、アメリカが運河の開削に取り組む事となったとか。当時、フランスとアメリカは蜜月関係だったからではないかと想像する。
9. パナマでは日本車が大活躍で、半部くらいは日本車だった。
10. 魚市場には豊富な魚が並べられていた。


・ミラフローレス閘門の視察を終えて、専用バスはパナマシティ市内のアマドールという離れ小島へ。パナマは人口400万人。首都パナマシティの人口は、約100万、全人口の25%がこの街に集中。パナマの1人あたりGDPは19,080ドル(2013年)と中南米で最も高い所得水準。

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(出典 Google)

・アマドールは、パナマシティ本土と離れ小島を結ぶ連絡道路。アマドールは、最初のパナマ運河(1904~1914年)を開削した時に発生した掘削残土で埋め立てて造成された道路だとか。残土は運河、道路、トンネル、土地造成などで必ず発生する、ある意味厄介者。なかなか上手な残土利用だと感心した。

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(アマドール)

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(パナマシティの新市街)

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(離れ小島のフラメンコ島)

(ヨットハーバー)

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(集合写真)

・アマドールからパナマ運河の太平洋側の入り口へ。アメリカ橋は入り口にある大きな橋梁。

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(アメリカ橋)

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(奇抜なデザインの建物)

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(ラウンドアバウト)

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(昔の政庁みたいな建物)

・アメリカ橋は、その名前のとおりアメリカが建設した巨大なトラス橋。全長1600m、中央支間340m。桁下は61m。建設期間は1952年~1962年。パナマックス(全長294.1m、全幅32.3m、喫水12m、最大高57.91m)、ネオパナマックスクラス(全長366m、全幅49m喫水15.2m)の船舶が問題なく通過できる桁下。

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(アメリカ橋)

・専用バスがアメリカ橋を渡る時、コンテナを満載した巨大な貨物船がパナマ運河の入り口に向かっているところが見えた。パナマ運河担当班の団員が7,000TEU(TEUは20フィートの標準コンテナで重さは最大24トン)のコンテナ船と説明した。計算すると、実に最大168,000トンのコンテナを運んでるとは驚き。

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(コンテナを満載した巨大貨物船)

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「中巴公園」(中国・パナマ公園)

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(中国とパナマの友好150年の記念塔)

・パナマシティの旧市街を視察。スペイン統治時代の歴史を感じさせる建物がたくさん建っていた。

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(旧市街の建物)

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(旧市街の建物)

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(教会)

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(スペイン統治時代の遺構)

・旧市街の中心にサンタ・マリア大聖堂と広場があった。この大聖堂は、1688年~1796年の建設、パナマ大司教区の司教座教会でした。欧州の大聖堂と逆向きでファサードは東側に、祭壇は西側を向いていた。祭壇は聖地エルサレムの聖墳墓教会に向ける設計。

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(サンタ・マリア大聖堂)

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(サンタ・マリア大聖堂の祭壇)

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(大聖堂前の広場)

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(旧市街の建物)

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(旧市街の建物)

(サント・ドミンゴ教会遺構と修道院)

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(サント・ドミンゴ教会遺構)

・フラットなアーチ(アルコチャト)の梁は、ライズの小さい構造的には脆弱な赤レンガ製。このような弱い梁が数世紀にわたって残存しているのを見て、パナマには地震がないことが判ったとか。そうすると、パナマ運河、パナマシティの建物は地震を考える必要はない?

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サント・ドミンゴ教会のフラットなアーチ梁)


・旧市街の外れの公園にはレセップス(1805年~1894年)の胸像が建っていた。レセップスは、フランスの外交官にしてスエズ運河を開削したことで知られている実業家。レセップスはスエズ運河完成後、パナマ地峡に海面式運河の建設を計画し、パナマ運河会社を設立して1880年に建設を開始した。黄熱病や技術的問題と資金調達のなどで事業が難航し、1889年運河会社が倒産。フランスは運河の開削を断念、アメリカが運河の開削に取り組む事となったとか。

(レセップス)

(新市街地の摩天楼をバックに集合写真)

・パナマでは日本車が大活躍で、半部くらいは日本車。

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(左からホンダ、ホンダ、トヨタ)

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(左からスズキ、ニッサン、トヨタ)

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(旧市街)

(海沿いの公園、新市街、火炎木(カエンボク)

・魚市場には豊富な魚が並べられていた。

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(魚市場)

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(魚市場)

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(魚市場)

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(パナマ担当の班員の人たちと昼食)

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(パナマビールとバルボア)

以下、次号・・・

# by camino0810 | 2023-04-22 20:52 | パナマ・アメリカⅡ | Comments(0)  

パナマ・アメリカⅡ エピローグ(3)パナマシティ(1日目)

2019年6月1日(土)~11日(火)、建設コンサルタンツ協会とみなと総研主催の『海外インフラ事情調査団』に副団長として参加しました。かれこれ3年以上前のことですが、折角の貴重な機会なので、パナマ・アメリカのインフラ視察のまとめをブログに記しておくこととしました。

2019年6月2日(日)

パナマシティ(1日目)のまとめはこんな感じ。

1.改めてパナマは遠い。成田からヒューストン経由で24時間。
2.パナマにはパナマ運河専用のテレビチャンネルがある。パナマ運河はパナマの経済を支える重要な運輸・観光インフラ。
3.パナマは南米有数の観光大国だが、観光の目玉は、やはりパナマ運河。
4. 1914年に完成した初代パナマ運河は、太平洋側の2連のミラフローレス閘門と1連のペドロ・ミゲル閘門とカリブ海側の3連のガツン閘門。
5. 2016年に完成した新パナマ運河は、太平洋側の3連のココリ閘門とカリブ海側の3連のアグア・クララ閘門
6. 視察団22名が1台の専用バスで移動。伝わりやすさ、懇親などを考えると団員数は多くても30名以下が良い。
7. インフラの視察は、工学的な知識・知見の体験的理解に加えて、ターゲットを俯瞰的に捉えようとする意識が大事。
8. パナマ運河は「閘門式運河」、スエズ運河は「海面式運河」。「閘門式運河」は簡単に言うと階段状の水路。
9. 1914年の初代パナマ運河は、65,000トンの巨大船を想定した設計。
10. パナマ運河の最高点は標高26mのガツン湖。船は海から閘門を通過しながらガツン湖に上り、ガツン湖から閘門を通過して海へ降りる。
11. 階段を作るための「閘室」は船が収まる部屋。「閘室」に水を出し入れして、船が上り下りする。
12. パナマ運河を1日最大44隻が通過するという。
13. 船1台を通すごとに閘室の水量80,000トンを廃棄すると仮定すると、年間廃棄水量は約13億トンと試算
14. その水を賄うガツン湖は面積400km2、平均有効水深5mと仮定すると、有効貯水量は約20億トンと試算。
15. 最大船舶は2万TEUを積載したコンテナ船で、運河を管理するパナマ運河庁は、通行船舶から積載したコンテナの数に応じた通行料を徴収、大きな船舶は1回に1億数千万円の通行料金を支払うという。
 
・パナマシティ視察1日目。パナマシティはパナマ運河の太平洋側の入り口にあるパナマの首都。成田から飛行機で24時間と遠い。

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(パナマ運河:出典 Google)

・ホテルの窓から見たパナマシティの都心。事前の予想と違って、真新しいまち。

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(朝焼けのパナマシティ)

・ホテルのテレビで見たパナマ運河専用チャンネル。パナマ運河はパナマ国の経済を支える重要な運輸・観光インフラ。

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(パナマ運河専用チャンネル)

・ホテルの中庭はプールつきのオープンテラス、パナマは南米有数の観光大国だが、観光の目玉は、やはりパナマ運河。

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(ホテルの中庭)

・7時30分、視察団22名を乗せた専用バスがホテルを出発し、最初の視察地であるパナマ運河のミラフローレス閘門へ。視察開始にあたっての家田仁団長の挨拶の骨子は、パナマ運河の工学的な知識・知見の体験的理解に加えて、俯瞰的にパナマ運河を捉えること。家田先生らしい挨拶だった。

 ①パナマ運河をまじかに見て、その仕組みやその巨大さを実感すること。
 ②仮にパナマ運河を計画する仕事を始める時、計画上考慮すべき範囲を何処まで設定すべきか?
 ③パナマ運河が完成後に実際に影響した範囲は一体どれくらいだったか?

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(挨拶する家田仁団長)

・8時、専用バスはミラフローレスビジターセンターに到着。
国交省からパナマ大使館に出向中の若手のKさんからパナマ運河の概要説明。
『1914年に完成した最初の運河は「閘門式運河」。閘室に供給する水を確保するために大きな貯水池が必要でした。川を堰き止めて、ガツン湖という巨大な人工湖を造りました・・・』
「閘門式運河」は、水位差のある運河のこと。階段状の水路を形成するために、開閉できるゲートを持つ閘門と呼ばれる施設が不可欠。「閘門式運河」の運用は、簡単に言うと、船の出し入れの度に閘室に入れた水を捨てること。それを補給する貯水池の確保はマストアイテム。イギリスのリーズ・リバプール運河、フランスのミディ運河、ドイツのマイン・ドナウ運河など著名な運河には、一番高い峠越えの場所に必ず大きな貯水池があった。

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(説明を受ける視察団)

・何故、パナマ運河をスエズ運河のようなハンドリング・メンテナンスフリーの「海面式運河」にしなかったのか?
水位差が26mの運河なので、水深10mの水路を確保するのは、最低でも高さ26mの開削が必要。場所によっては高さ50mを超える開削も必要。1900年当時の建設技術レベルでは、大規模掘削、膨大な掘削残土処理、長大法面安定処理など技術的なハードルが高すぎたため断念せざる得なかったようだ。

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(ミラフローレス運河の記念写真)

・パナマックス(通過が許可されている船舶の大きさ)は、65,000トンクラスの巨大船舶を想定した設定だという。構想段階から壮大なプロジェクトだったことがわかる。
 ・全長:294m
 ・全幅:32m
 ・喫水:12m
 ・最大高:58m
・ミラフローレス閘門の閘室はパナマックスサイズの船舶を丸ごと収容できる大きさ。
 ・全長:305m
 ・全幅:34m
 ・水深:13m

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(ミラフローレス閘門を通過するコンテナ船と特殊牽引機関車)

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(ミラフローレス閘門(水位差16.5m)のマイターゲート)

・船が山中に見えているという実に不思議な光景。この運河が2016年に完成した新パナマ運河。山中の航路は、標高は26m。ミラフローレス湖(標高16.5m)との高低差は9.5m。

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(ミラフローレス湖(標高16.5m)と新運河(左の白い船、標高26m))

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(ミラフローレス閘門に入る貨物船群)

・パナマ運河の縦断図。図面左が太平洋側のミラフローレス閘門とペドロ・ミゲル閘門、右がカリブ海側のガツン閘門。

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(パナマ運河縦断図:出典 パナマ運河(2017パナマ運河庁))

・太平洋から入る船の通過手順。
2連閘門のミラフローレス閘門(水位差16.5m)⇒ 標高16.5mのミラフローレス湖⇒1段閘門のペドロ・ミゲル閘門(水位差9.5m)⇒ パナマ運河で最も高い標高26mのガツン湖へ。

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(ミラフローレス閘門とペドロ・ミゲル閘門:出典 パナマ運河(2017パナマ運河庁))

標高26mのガツン湖⇒ ガツン閘門(水位差26m)⇒ カリブ海へ。

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(ガツン湖とガツン閘門:出典 パナマ運河(2017パナマ運河庁))

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(ココリ閘門とミラフローレス閘門:出典 パナマ運河(2017パナマ運河庁))

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(パナマックスと閘室:出典 パナマ運河(2017パナマ運河庁))

・コンテナを積載した大きな船舶がゆっくりと移動。山の中を巨大な船舶が通過しているとは、実に壮大かつ不思議な光景。『船頭多くして船山に上る』の前半部分を削除した光景。この運河が2016年に完成した新パナマ運河で、3連のココリ閘門を通過した船がガツン湖に向けて航行中。

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(ミラフローレス閘門の管理棟(手前)と新パナマ運河(奥))

・ミラフローレスビジターセンターの屋内展示室。現地案内のMさんの熱心な説明を受けた。

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(現地案内のMさん)

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(パナマ運河の全体図、下がミラフローレス閘門)

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(クレブラカットの開削)

(土砂運搬用の蒸気機関車と土砂を満載した貨車)

・2016年に完成した新パナマ運河のココリ閘門。右奥の小さい閘門がミラフローレス閘門。ココリ閘門は閘室の注入水を貯留する大きな池を3つ備えた最新式閘門。

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(2016年に完成したココリ閘門)

・ガツン湖の貯留必要水量が一体どれくらいか?
 (ざっくりした試算結果)
 ミラフローレス閘門第1閘室廃棄水量80,000トン(305m(全長)✕34m(全幅)✕8m(水深))
 1日あたりの通船数最大44隻として
 年間廃棄水量=80,000トン×44×365日≒13億トン
 ガツン湖の面積400km2
 平均有効水深5mとして
 有効貯水量=400,000,000×5m≒20億トン(1.5年分)

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(ココリ閘門の貯水地)

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(航路浚渫船)

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(カリブ海側のアグア・クララ閘門(2016年完成))

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(コンテナヤードに積まれた40フィートコンテナ)
以下、次号・・・

# by camino0810 | 2023-03-25 09:12 | パナマ・アメリカⅡ | Comments(0)  

パナマ・アメリカⅡ エピローグ(2)ヒューストン~パナマシティ

2019年6月1日(土)~11日(火)、建設コンサルタンツ協会とみなと総研主催の『海外インフラ事情調査団』に副団長として参加しました。かれこれ3年以上前のことですが、折角の貴重な機会なので、パナマ・アメリカのインフラ視察のまとめをブログに記しておくこととしました。

2019年6月1日(土)

「ヒューストン~パナマシティ」のまとめはこんな感じ。

1.アメリカでも寿司は人気のようだ。
2.アメリカ人は漢字を一種の商標やデザインとして捉えているようだ。
3.アメリカ人にとって、招き猫は、日本を代表するキャラクターグッズのようだ。
4.アメリカの郊外は高速道路を中心とした車中心社会に見える。
5.アメリカは、河川を利用した産業舟運が盛んなようだ。
6.パナマは遠い。成田からヒューストン経由で24時間。
7.パナマのトイレは、脚なし型でアメリカと同じ。
8.パナマは硬貨を除いて自国通貨を持たないユニークな国、アメリカドルがそのまま使える。

・この日は、ヒューストン~パナマシティの移動日。ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港構内に不思議な気分を感じさせる和風のお店が出店していた。アメリカ人が解釈する『日本』の姿を日本人の自分が観るのは意外性もあって、面白い。

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(YUME asian kitchen & market)

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(YUME asian kitchen & market)


・お寿司は今やワールドワイドの食事。欧州の空港や駅でたくさん見てきた。アメリカでも寿司は人気のようだ。日本のオーソドックスなカウンター型のお寿司屋さんを再現。ガラスの中に握りのネタが並んでいて、カウンターのタッチパネルでオーダーするルール。

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(カウンター型寿司屋)

・アメリカ人は、漢字を一種の商標やデザインとして捉えている。これは欧州も同様。「美□未」は、「美味」の「味」を「口」と「未」に分解して並び替えた表現。欧州ではお寿司は高級食だが、握りが12ドル(1300円)、鉄火巻きが6ドル(660円)と日本と同程度のリーズナブルな価格。

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(「美□未」のロゴ

・アメリカ人にとって、招き猫は、日本を代表するキャラクターグッズ?。

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(金の招き猫)

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(金の招き猫)

・ヒューストンの小便器は脚なし型。

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・パナマ行き飛行機は、ユナイテッド航空の中型ジェット機。ユナイテッド航空は、シカゴに本社を置く世界最大の航空会社で、この空港はそのハブ空港の一つ。

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・飛行機の離発着時はそのまちを俯瞰的に見る良いチャンス。アリのような車が片側5車線の高速道路上を動いていて、アメリカの車社会を実感。

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(片側5車線の高速道路)

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(緑豊な住宅地を貫く幅広の高速道路)

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(カルド・サック型の住宅地)

・ヒューストンのダウンタウンを貫流するバッファローバイユー川の河口付近は、河川港と工場地帯。アメリカは、河川を利用した産業舟運が盛んなのかも。

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(バッファローバイユー川の河口付近)

・カリブ海の砂嘴と潟湖(ラグーン)、写真左がカリブ海。

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・ヒューストン、パナマシティ間は、3000キロで4時間のフライト。

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(航路)

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(パナマ)

・パナマシティ郊外のトクメン国際空港は真新しい空港。時差はー14時間でヒューストンと同じ。やはり、パナマは遠い。成田からヒューストン経由でほぼ24時間。

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(トクメン国際空港)

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(トクメン国際空港)

・パナマのトイレは、脚なし型でアメリカと同じ。

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・夕食を兼ねた懇親会。懇親会は相互の距離感を縮める良い機会。

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(懇親会)

・パナマは硬貨を除いて自国通貨を持たないユニークな国、アメリカドルがそのまま使えた。

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(22ドル(2400円)のエビ入りパスタ)

次は、パナマ運河・・・

# by camino0810 | 2023-02-26 09:48 | パナマ・アメリカⅡ | Comments(0)  

パナマ・アメリカⅡ エピローグ(1)ヒューストン

2019年6月1日(土)~11日(火)、建設コンサルタンツ協会とみなと総研主催の『海外インフラ事情調査団』に副団長として参加しました。かれこれ3年以上前のことですが、折角の貴重な機会なので、パナマ・アメリカのインフラ視察のまとめをブログに記しておくこととしました。

①ヒューストン:2019年6月1日(土)

成田空港とジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港までは、11000km、所要時間は概ね11時間。フォローの偏西風を受けて、時速1000km。

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(大円航路)

・ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港は、3km級の滑走路5本を備える巨大空港。都心の北35km、正直、アクセスが良いとは思えないが、高速道路がそのハンディをカバーしている感じ。欧州の空港は総じて都心に近く、鉄道がセットでもう少しアクセスがいいように感じる。アメリカは広大な国土があり、車中心社会のためだろうか。

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(ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港:出典google)

・空港構内にヒューストンのダウンタウンの摩天楼の写真が飾ってあった。ヒューストンは、自分が持っているアメリカの大都市のイメージ通りの街だった。ヒューストンは、230万人の人口を持ち、ニューヨーク、ロスアンゼルス、シカゴに次ぎ、全米で4番目のテキサス州最大の都市。

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(ヒューストンのダウンタウン)

以下、『地球の歩き方 アメリカ2019~2020』

「テキサス州最大の都市ヒューストン。人口は200万人をゆうに超え、ニューヨーク、ロスアンゼルス、シカゴに次ぎ、全米で4番目の多さだ。海が近いこともあり石油メジャーが本拠地を構え、ダウンタウンには巨大なビルが林立し、世界各国からビジネスマンが集まる国際都市として機能している。
ヒューストンは宇宙開発の拠点でもある。アポロ計画などで重要な任務を果たしたジョンソン宇宙センターがヒューストン郊外にあり、宇宙に関する研究、宇宙飛行士のトレーニングなどが日々行われ、NASAの宇宙センターのなかでも大事な役割を担っている。
また、テキサス州は6ヵ国によって支配されてきた歴史があり、フランスやスペインなどの領土を経て1836年テキサス共和国として独立。1845年にアメリカに併合された。テキサス州と名前を変えてからも独立独歩を好み、他人と同じことを嫌う気質は現在でも脈々と受け継がれている。日本から直行便が飛んでおり、アクセスのよさも魅力のひとつだ」

テキサス州が、1836年にテキサス共和国としてメキシコから独立し、1845年にアメリカに併合されたとは驚きだ。テキサスはアメリカ東部から西進や南進により自動的にアメリカに取り込まれていったと思っていたら、大きな勘違いだった。アメリカは1776年に東部13州がイギリスから独立、徐々に国土を拡げ、1803年にはフランスから「ルイジアナ購入」と呼ばれるミシシッピ流域を破格の安値で購入。その後、テキサス、カリフォルニア、オレゴン、アラスカを取り込み、着々と国土を拡げていった。

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(1803年ルイジアナ購入(白いエリア):Wikipedia)

・パナマシティ行きの便の出発まで6時間もあったので、ヒューストン郊外のジョンソン宇宙センターを見学した。タクシーでヒューストンのダウンタウン東南約40kmにあるジョンソン宇宙センターへ。片側5車線で車線幅もゆったりした、実に広々とした高速道路で、自分が持っているイメージ通りだった。出入り口の料金所などはなく、高速料金は無料。タクシーは、片道46.2マイル(74km)、所要時間50分。往復料金は、260ドル(29000円)と意外にもリーズナブル。

(高速道路:片側5車線)

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(高速道路のランプ)

・空港行きの高速道路は、ダウンタウンのすぐ脇に設置されていて、高架方式。地下トンネルにしなかったのは、一年を通じて太陽光に溢れる北緯30度の立地に依るのではないか。冬場の太陽光が乏しい高緯度の欧州だと後発の道路は地下に入れて、既存の道路に蓋をせず、青空を維持するのではないか。

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(ヒューストンのダウンタウン)

・ミニッツメイド・パークは、アメリカンリーグのヒューストン・アストルズの本拠地。野球場とは思えない不思議な形をした巨大な建物。世界で3番目の開閉式屋根付き天然芝野球専用球場だとは驚き。この巨大な屋根がスライドする仕掛けになっているようだ。

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(ミニッツメイド・パーク)

・ジョンソン宇宙センターに到着。スペースシャトル・インディペンデンス号の前で記念写真。

(スペースシャトル・インディペンデンス号)

・空港へ戻る高速も5車線の幅広。真新しいランプは、スパンを随分と飛ばしている。

(高速道路のランプ)

・スピード制限は60マイル/時、100kmで日本と同じ。

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(最高速度60マイル)

・郊外の一般道沿いの風景はどこか日本風。電線・電柱があり、ファミレス風のレストラン、車のディーラー、ガソリンスタンド、ホームセンターなど日本でもお馴染みの建物が並んでいた。看板が日本語表記なら日本といっても判らないだろう。アメリカは電線地中化の先進国と思っていたので、意外な思いがした。以降、視察先の街々で電線・電柱を熱心に観察した。電線は上下2段、上段は変圧器が付いているので高圧線、下段は電話線で日本と全く同じ。

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(電柱・電線)

・走っている車の半数くらいは日本車だったことに驚かされた。しかもトヨタのシェアが他の日本車を圧倒していた。

・ヒューストンは、2017年8月に上陸したハリケーン・ハービーで壊滅的な洪水被害と多くの死者を出したそうだ。ハービーは最大風速215 km/h、最低気圧937 hPa、 死者107名、被害1250億ドル(16兆円:史上最高被害額)



ヒューストンのまとめはこんな感じ。

1.ヒューストンのダウンタウンは、摩天楼が建ち並ぶ典型的なアメリカのダウンタウンだった。
2.ヒューストンのダウンタウンは、メジャーの野球場がセットだった。
3.ヒューストンの野球場は、巨大で個性的でユニークな設計。
4.ヒューストンの高速道路は、片側5車線の幅広で無料。
5.ヒューストンの高速道路は、時速100キロ制限。
6.ヒューストンの都心の高速道路は、地下式ではなく高架型。
7.ヒューストンのタクシー料金は、リーズナブル。
8.ヒューストンの郊外の沿道風景は、日本と同じ。
9.ヒューストンの郊外は、日本と同じで電柱がたくさんの建っていた。
10.ヒューストンの車のシェアは、半分くらい日本車。日本車はトヨタがメーン。
11.ヒューストンは、ハリケーンとともに生きる運命を背負っている。

次は、パナマ・・・


# by camino0810 | 2023-01-29 10:27 | パナマ・アメリカⅡ | Comments(0)