2012年4月22日(日) 新潟  分水(その2)

旧洗堰の役割は、2,000年5月にその役割を終えたそうです。
旧堰に並んで新たに築造された新洗堰が完成したためです。

新堰は、実に、風格のある堰に仕上がっていました。
普通、堰はゲートとゲートを支える堰柱でできています。大抵、堰柱の天辺にはゲートを上げ下ろしする巻き上げ機が付いていて、巻き上げ機を覆う建屋が設置されています。
大抵、堰のデザインは正直、貧困気味。土木屋の僕から見ても、何とかならないものかと感じていました。
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土木構造物は、機能一点張りのデザインが多く、普通、無骨なものが大半です。
機能美が感じられる土木構造物は、ダムと橋くらい。黒部ダム、明石大橋、レインボーブリッジ、富士川橋、錦帯橋など・・・
最近開通した東京湾ゲートブリッジは、本来なら吊橋か斜張橋でしょうが、羽田空港の空頭制限から、止む無く恐竜のようなデザインにならざるを得なかったと考えてよいでしょう。

1997年に河川法が、改正され、治水・治水に環境の側面が追加されました。河川環境の整備と保全の観点から、国は土木の聖地である大河津の新堰には大奮発したようです。
素晴らしい堰に仕上がっていました。正直、これ程、風格のある堰を見たことはありません。下流から見た洗堰の全景はこんな風・・・信濃川は写真の右から左の流れています。
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上流から見た洗堰はこんな感じ・・・・
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洗堰のデザイン的に優れている点は、
①コンクリート面に花崗岩を貼り付けて重厚さを演出している
②ゲートを油圧シリンダーで上下させるため、堰柱の頭の部分がスッキリしている。
機能面では、
③様々なタイプの魚道を設置して、様々な魚が登り下りしやすいように配慮している。
④閘門を設置して、船の航行を可能にしている。
①の花崗岩は、こんな風・・・結構、お値段は張ったのでは?
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②の堰柱の頭部は、こんな感じ・・・通常設置されるウィンチ室がないので、スッキリしていました。
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③魚道は3種類。魚の種類で使い分けをしているようでした。魚道観察室が設置されているので、信濃川を登る鮭や鮎が観察できるしょう。
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④本格的な閘門には、驚かされました。閘門は、上下流で高低差のある水面を船舶が航行するために、2つのゲートで挟んだ部屋に船を入れて、注水、排水する仕組みになっています。
荒川では、埼玉県に重油を運ぶために船舶の航行があると聞いていますが、信濃川で物資を積載した船舶が航行しているかどうかは、正直、判りません。大地震の際の物資運搬に船舶を使うのかも知れません。
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閘門は船を納める長さが必要なため、上流側に伸びて設置されていました。
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分水路に設置された可動堰も既に完成していました。この可動堰は、洪水流を調節して下流に流すために、ゲートを持っています。ゲートの構造は、ラジアルゲート。円弧状のゲートが上下する仕組みです。
有名なテムズ川のテムズバリアと同じ構造でした。なかなかカッコイイ堰でした。
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ちなみに、テムズバリアは、こんな風・・・ロンドン市内を高潮から守るために設置されたとのこと。。。
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(出典:Wikipedia)
以上、リニューワルされた洗堰と可動堰を見てきました。
いよいよ、土木屋の聖地を言われる由縁の旧自在堰について、稿を改めて、触れてみます。

by camino0810 | 2012-08-27 19:00 | 新潟 | Comments(0)  

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