人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2015年10月15日(木)宇治(その1)

天ケ瀬ダムの見学を終えて、宇治川の左岸沿いの県道を歩いて平等院に向けて歩きました。
県道には歩道が設置されていないので結構怖い思いをしました。地図をよく見るとダムの管理所から河畔に降りる道がありましたが、初めての土地なので承知していませんでした。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_05563124.png
(出典 Google)

林の切れ目から宇治川がきれいに見えました。両サイドの山が迫っていて、いわゆる狭窄部になっていました。狭窄部は治水面では障壁であっても景観的には大きなメリットがあります。
宇治川は写真の上から下に流れていて、上の奥に天ケ瀬ダムがあります。桜や紅葉の時期にはいい眺めを見せてくれるでしょう。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_05541797.jpg

県道の階段を降りて、河畔道路を歩いて行きました。
宇治川が硬い岩盤を開析したため河床には大きな礫が堆積していました。水はとても澄んでいて上流の滋賀県の下水処理が進んでいる事がわかります。
このあたりの宇治川は、瀬と淵が交互の現れる中流域の河相をしていました。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_06130965.jpg

更に下流に向いて歩いて行くと瀞と呼ばれる河相に変わりました。川は写真の下から上に流れています。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_06234682.jpg

狭窄部を抜けると川幅が急に大きくなりました。
川の中に鋼矢板が設置されていました。工事用の仮締切にしては様子がおかしいし、この時はその理由が不明でした。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_06322403.jpg

この記事を書いている時なんとなく事情が分かってきました。多分、平等院の池の水と下流の農業用水の取水堰ではないかと・・・
鋼矢板はいわゆる導流施設の役割ではないかと思いました。このあたりの川幅はまだ狭いので、河積を確保するには幅を取る堤防では支障するため薄い鋼矢板を採用したのでしょうか・・・。


2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_06571059.jpg
(出典 Google)

十三石塔のある中の島も取水堰の一部になっているではないか・・・。もしそうだとすると、この取水のやり方は非常に珍しいと思います。
通常は川を横断するように堰を設けて、堰の上流側から取水しますが、横断構造物を設置せず導流するのはなかなか考えたものだと思います。
多分、宇治川はダムが無かった頃は、暴れ川で宇治川を横断する堰を構築することが難しかったのではないか・・・
河川の上下流の連続性が、治水、利水、環境、生物、歴史、文化の面から非常に大切である事に最近ようやく気付くようになりました。天ケ瀬ダムのような河川を横断する大きな土木インフラはそのすべてをクリヤー出来る訳ではありません。必ずトレードオフの課題が付いて回ります。
その点、宇治川の導水方式は上下流の連続性が保たれている点からも優れた河川インフラだと思います。


2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_11292916.jpg


中の島あたりの、疏水側の堤防に用水機場がありました。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_08015862.jpg


水利使用標識には水利利用権者は「小倉用水利用組合」、11haのかんがい用水と記載されていました。最大取水量は0.22m3/秒。取水期間は6月~9月の4か月。取水施設管理者は関西電力の天ケ瀬発電所長と記載されていました。
水利権の利害関係には難しい面があるようです。天ケ瀬ダムの建設する際に関電と水利組合で協定があったように思います。


2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_11384786.jpg

宇治の観光スポットの入口までようやく到達しました。右側の道路が入口部分に当たりますが、道路の舗道に工夫を感じました。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_17434183.jpg

まち歩きをする時には、必ず、車道、歩道、店舗の舗装を気にします。
この舗装は車道部と歩道の境目を意図的に無くして、人中心の街路にしていました。アスファルトではなく石張りにしている事も良いと思います。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_08192510.jpg

旅館の舗装もトーンを合わせていました。多分、まちづくり協議会のような組織があったのではと推測します。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_10355004.jpg

中の島の赤い太鼓橋付近でも同様なコンセプトを感じました。少し残念だったのは、電柱・電線を地中化していなかった事。ちょっと勿体ない気がしました。


2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_10392110.jpg

橋の袂には多くの外国人観光客がいました。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_10394285.jpg

このような街づくりは連休に旅行したイギリスの街々でも見掛けました。
イングランドの古都ヨークは、パーク&ライド方式で中心部に流入する車を抑制して、中心部は人中心の街路にしていました。

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_11204995.jpg

2015年10月15日(木)宇治(その1)_b0214184_11112651.jpg

太鼓橋を渡って中の島に行きました。
以下、次号・・・



by camino0810 | 2015-11-03 11:21 | 国内 | Comments(0)  

<< 2015年10月15日(木)宇... 2015年10月15日(木)天... >>