天ケ瀬ダムの見学を終えて、宇治川の左岸沿いの県道を歩いて平等院に向けて歩きました。
県道には歩道が設置されていないので結構怖い思いをしました。地図をよく見るとダムの管理所から河畔に降りる道がありましたが、初めての土地なので承知していませんでした。
(出典 Google)
林の切れ目から宇治川がきれいに見えました。両サイドの山が迫っていて、いわゆる狭窄部になっていました。狭窄部は治水面では障壁であっても景観的には大きなメリットがあります。
宇治川は写真の上から下に流れていて、上の奥に天ケ瀬ダムがあります。桜や紅葉の時期にはいい眺めを見せてくれるでしょう。
県道の階段を降りて、河畔道路を歩いて行きました。
十三石塔のある中の島も取水堰の一部になっているではないか・・・。もしそうだとすると、この取水のやり方は非常に珍しいと思います。
通常は川を横断するように堰を設けて、堰の上流側から取水しますが、横断構造物を設置せず導流するのはなかなか考えたものだと思います。
多分、宇治川はダムが無かった頃は、暴れ川で宇治川を横断する堰を構築することが難しかったのではないか・・・
河川の上下流の連続性が、治水、利水、環境、生物、歴史、文化の面から非常に大切である事に最近ようやく気付くようになりました。天ケ瀬ダムのような河川を横断する大きな土木インフラはそのすべてをクリヤー出来る訳ではありません。必ずトレードオフの課題が付いて回ります。
その点、宇治川の導水方式は上下流の連続性が保たれている点からも優れた河川インフラだと思います。
中の島あたりの、疏水側の堤防に用水機場がありました。
水利使用標識には水利利用権者は「小倉用水利用組合」、11haのかんがい用水と記載されていました。最大取水量は0.22m3/秒。取水期間は6月~9月の4か月。取水施設管理者は関西電力の天ケ瀬発電所長と記載されていました。
水利権の利害関係には難しい面があるようです。天ケ瀬ダムの建設する際に関電と水利組合で協定があったように思います。
宇治の観光スポットの入口までようやく到達しました。右側の道路が入口部分に当たりますが、道路の舗道に工夫を感じました。
まち歩きをする時には、必ず、車道、歩道、店舗の舗装を気にします。
この舗装は車道部と歩道の境目を意図的に無くして、人中心の街路にしていました。アスファルトではなく石張りにしている事も良いと思います。
旅館の舗装もトーンを合わせていました。多分、まちづくり協議会のような組織があったのではと推測します。
中の島の赤い太鼓橋付近でも同様なコンセプトを感じました。少し残念だったのは、電柱・電線を地中化していなかった事。ちょっと勿体ない気がしました。
橋の袂には多くの外国人観光客がいました。
このような街づくりは連休に旅行したイギリスの街々でも見掛けました。
イングランドの古都ヨークは、パーク&ライド方式で中心部に流入する車を抑制して、中心部は人中心の街路にしていました。
太鼓橋を渡って中の島に行きました。
以下、次号・・・